2010年 9月 2日
大学編入や大学院入試では小論文試験の占める比重がかなり高いです。それにもかかわらず、小論文試験のためにどのような勉強をすればよいかわからないという人も多いのではないでしょうか。ここでは小論文の学習について考えてみます。
小論文の試験ではまず論理展開や文章表現が問われます。この点に関しては自分で実際に書いた答案を誰か信頼できる人に添削してもらうのが最善でしょう。
それに加えて、実は一般的な知識も問われています。ある程度の知識がないと答案が書けないような出題も珍しくありません。この小論文で必要とされる知識については、自分で時間を見つけて学ぶことができるので、そのための参考書を以下でいくつか紹介します。
(ここでは社会系の一般的な小論文を念頭に置いています。理系や芸術系だとその内容も大きく異なるでしょうし、特に大学院の専門論文試験では専門科目の対策が必須です。それでも現代社会で一般的に論じられている事柄を知っておくことは有益でしょう。)
・樋口裕一著『読むだけ小論文』(学習研究社)
小論文の知識本としては一番のおすすめです。よく論じられるテーマがわかりやすく説明されています。基礎編と発展編の2冊があるので、これだけでもほとんどの小論文の内容にいくらか対応することができます。
・楠崎竜太、箕曲在弘、樋口裕一著『一目でわかる小論文ハンドブック』(ナガセ)
基本的なテーマごとに問題、キーワード、解答例がつけられているので、それらを読むだけでも知識が身に付きます。自分で実際に書いてみるのもよいかもしれません。一貫して対立軸を設定して論述するというスタイルで解答例が作られているのでわかりやすいです。
・湯浅俊夫、竹内幸哉著『小論文頻出テーマとキーワード(文系編)』(旺文社)
用語集としてはこれを挙げておきます。図式的に用語の説明がされています。前から順に読みとおすのは大変ですが、気になったところをパラパラと見るだけでも知識を確認することができます。理系編もあります。
・清水雅博著『小論文の時事ネタ本 社会科学系編』(学習研究社)
高校の科目でいうところの「現代社会」や「政治経済」の内容を詳しく紹介している本です。写真や図表が豊富です。政治や経済について、事実関係を詳しく押さえておきたいなら特におすすめします。
・中野芳樹、奥村清次、小泉徹、松本孝子著『小論文テーマ別課題文集21世紀を生きる』(駿台文庫)
小論文の課題文でよく見かけるような、現代社会を代表する本からの抜粋と、それらをテーマごとにまとめた解説から成り立っています。社会学の入門書としても読めます。
これはあくまでも個人的な観点からの記述です。その人の状況や受験大学によって向き不向きがあります。小論文の講座を受講されている方は担当の先生に相談してから自分での学習を始めるようにしてください。
浅野先生
2010年 3月 31日
語学の学習で自覚しておく必要のあることのひとつに、語学は忘れやすいということがあります。英語ももちろんそうです。帰国子女の学生の中には英会話学校に通う人もいます。使っていないと忘れてしまうからです。これは読解についても言えることです。日常的に英文に触れていないと読解力は維持できません。これは単語や熟語について大いに言えることですがそれだけではありません。英文読解には論理的思考も必要ですが、文章を読むときの勘の働きが重要です。これは感覚的なものです。英文を正確に読んでいるとき、普通、これを意識することはありませんが、文章をスムーズに理解しているとき、これが無意識のうちに働いています。でも英文を久しぶりに読むという場合、これはなかなか働きません。これは普段から英文に接していないと鈍ります。語学の学習では、例えば、一週間のうち一日がんばって七時間やるよりも、一時間づつ毎日やるほうがはるかに効果的で楽で身につきます。毎日は無理であるとしても週に三日から四日はやりましょう。
中沢先生
2009年 12月 3日
京都大学経済学部 総評
「今年の京都大の問題、ぶっちゃけどうだったんだろう…」
試験が終わったら、合否の前に気になるのがコレではないでしょうか。
なんだかいけそうな気がする人はもちろん、
残念ながらまったく手ごたえのない人もすごく気になるこの問題。
ライバルたちの勝手な批評を聞いて
一喜一憂する前に見てほしいものがあるんです!
京大の過去問を
隅から隅まで研究しつくし
自らもその昔それに果敢に立ち向かった
中央ゼミナール講師藤野先生による、
今年の京大経済学部編入試験の解説&総評です。
各門の全体的な難易度や出題の狙い、
前年度と比べての印象などが客観的な視点で
述べられています。
【京都大学経済学部3年次編入学試験 総論】
第1問はミクロ経済学、第2問はマクロ経済学、第3問と第4問は社会経済学からの出題でした。
第1問のミクロ経済学は、①、②は消費者理論、③はゲーム理論と、比較的広い範囲から出題されています。
①は消費者理論の基礎的な問題です。ミクロ経済学の基礎のテキストのほとんどで、図と数式を用いて解説されている部分なので、多くの受験者が完答できたでしょう。
②は消費者理論の初級及び中級的な内容からの出題です。価格変化の需要に対する影響を、図を用いて表現できることが求められています。スルツキー方程式や補償需要曲線を、数式を用いて表現、それらと関連させて代替効果と所得効果を説明できれば高得点が狙えるでしょう。
③は不意完全競争市場における市場の失敗を、ゲーム理論を用いて説明する問題です。囚人のジレンマゲームを用いて、消費者の利潤最大化行動が非合理的であることを説明することが求められています。
第2問のマクロ経済学はIS-LMモデルからの出題です。(1)はIS曲線の導出の問題です。投資曲線及び貯蓄曲線を、貯蓄と投資の均衡を用いて関連させ、財市場における利子率と国民所得の均衡をグラフで表現します。
(2)はLM曲線の導出の問題です。資産需要曲線と取引需要曲線を、資産需要と取引需要の合計が一定であることを前提として関連付けて、貨幣市場における利子率と国民所得の関係をグラフで表現します。
(3)は(1)と(2)で導出したIS曲線とLM曲線を同じ平面状に描くことで、均衡国民所得を表現します。(1)、(2)、(3)ともにマクロ経済学の基礎的な問題で、経済学部の編入試験では頻出範囲なので、多くの受験者が完答できているでしょう。
第3問、第4問は社会経済学からの出題でした。
京都大学経済学部編入試験の専門試験は、昨年とは出題傾向が大きく変わり、ミクロ経済学1問、マクロ経済学1問、社会経済学2問の計4問から2問を選択して解答する形式となりました。出題範囲が絞られ、対策もしやすくなったため、高得点を取ることが必要だと考えられます。
今年もあと少し。
「対策がしやすかった」「高得点をとることが必要」
というくだりに納得した人もできなかった人も、
やり残しがないよう走り切りましょう!!
2009年 11月 24日
毎年試験前になると、自分の志望大学・大学院の過去問題との格闘の日々を送る受験生たち。
問題集は書き込みで真っ黒なのに、解答用紙はまっさらでみたこともない、なんていう人はいませんか?
実は解答用紙は合格不合格を分けるカギになるほど、重要なものなんです。
閉館間際の自習室で授業をする講師と生徒。
第一志望の京大法学部の3年次編入試験が明日に迫った、Aさんとその担当講師でした。
こんなに遅くまで、と覗き込むと、二人で解答用紙を覗き込んで、何やら話しこんでいます。
「○○大学はこんな解答用紙で、△△大学は…」
そのとき勉強していた科目は「数学」でも「政治経済」でもなく、
「解答用紙の種類」だったようで、思わず笑ってしまいました。
しかし、その“珍授業”が大きな効果をもたらすとは、誰が想像したでしょうか。
次の日京大が受験生に配布したのは、例年の縦書きとは違う横書きの解答用紙だったのです。
その日受験生たちを動揺させた解答用紙は、Aさんにとってはまったく「想定内」でした。
なんでも昨今の司法試験の流れに合わせ、今年から横書き方式を取り入れたのだそうです。
このほかにも、阪大では英語の試験でマス目の解答用紙が配られたそうです。
過去問を隅々まで研究する熱意に加え、とっさの時の対応力も試される
「解答用紙」、なかなかあなどれない存在なのではないでしょうか。
「ノートに答え書くからいいの」といって、捨てないでくださいね。