傾向と対策

■京都大学 法学部 3年次編入試験

論文

「論文」という名称ではあるものの、実際には法学及び政治学に関する問題です。
毎年法学関係から1問、政治学関係から1問出題されるようです。(以前は試験問題は非公開でしたが、近年は論文のみ公開されています。)

問題の出題形式は、「~について論ぜよ」という一行問題が多いですが、中には見解を比較論評させる問題(平成12年度・平成18年度)や簡単な設例を用いる問題(平成11年度)もあります。

問われている内容は、単に知識をそのまま聞くような問題は少なく(もっとも、平成20年度などは比較的知識を問う出題)、基本的な知識はあることは当然の前提として、その知識を用いて未知の問題についていかに対応するかを聞く問題が多いです。
そして、問われている範囲は法学分野に関しては、憲法・初歩的な法哲学・司法制度論が、政治学分野には政治学概論・政治原論・行政学が多いものの、必ずしもそれに限られず、法学及び政治学に関する時事問題(平成14年度・平成17年度)も出題されています。

このような出題に対応するには2通りの対策が必要です。

第1に、基本的な知識を確実に「理解」すること。
ここでいう「理解」とは単にその事項を知っているというだけではなく、その知識を用いて議論し、未知の問題に対する自分なりの見解を用いることができることを意味します。
このためには、教科書の熟読は必須ですが、それに加えて勉強会・予備校の授業を通じて議論することや問題演習をすることが不可欠といえます。

第2に、多くの文献を読みさまざまな視点を身につけること。
すなわち、基本となる教科書のみならず多くの文献(必ずしも高度な論文でなく、たとえば有斐閣アルマシリーズでもよい)に接して、さまざまな「考え方」やその考え方を基礎づける具体例に触れるということです。
このような勉強法は基本的な知識を仕入れるという点では無駄な勉強になりますが、京都大学のように柔軟な思考力を要求される問題に対応するにはきわめて有効でしょう。

英語

英語の過去問が非公開ということで詳細は不明ですが、中央ゼミナール生からの編入学試験報告から、おおむねA4で1枚程度の長文を示し、下線部や場合によっては全文の和訳を求めるという形式ということがわかっています。

問題文の内容は、法学・政治学に関する文章であることが多いですが、それ以外の文章も出題されています(平成18年度)。

英文自体はそれほど短くないので、速読力はあまり必要ではなくまずは精読力を養うことが大切です。
精読力とは、複雑な英文構造から、SV構造を的確に見抜いたうえで日本語に訳す力をいいます。
専門的な文章は英文構造が複雑なので、この力が必要となります。
この力を養うための方法としては、一般入試の英文解釈の問題集や京都大学の一般入試の過去問を解くことが挙げられます。
その際には単に和訳をするのではなく、なぜこの英文がこの意味になるのかを時間をかけてもよいので考えることが重要です。

また、専門的な背景知識があると和訳がしやすいです。
そこで、英語対策としても、論文の勉強は重要になります。専門的な英文和訳問題を解く素材としては大学院の英語の問題を解くのも良いでしょう。
もっとも、大学院の英語の問題は解答がないので、予備校の授業を通じて検討するのが効果的です。

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