平成16年度大阪大学経済学部編入の英語問題は大問2題から成り、どちらもA4用紙一枚程度の長文読解になっています。
大問1の方は、政府と民間の効率性を比較した文章で、かなり堅めの論説になっています。
小問構成は問1が下線部訳、問2、問3が内容指示の問題です。
一文一文がかなり長く、英語の論説文に対する慣れが必要とされる上、ある程度の専門用語の知識も不可欠です。
ただ、この文章は対比の構造をとっているため、こういった長文を読解することに慣れていれば、そこそこ読めると思います。
大問2は漁業と規制に関するもので、大問1と比べると堅さはないものの、やはり「論説らしい論説」といった印象です。
小問構成は大問1とほぼ同じで下線部訳が1題、内容指示が2題となっています。
全体的に見て記述力が求められていることは明らかで、普段から和訳や記述式の問題を解くことが必要です。
試験時間は90分で、時間が足りないということはないと思いますが、やはり記述の量が多いためフルに使うことになるでしょう。
平成17年度は一転して、大問1がA43分の1程度の長文要約、大問2が英訳という構成です。
大問1の長文は難度がやや高めで、要約に字数制限もないためかなり書きにくいと思います。
ここでもやはり論説への慣れと専門用語が不可欠と言えるでしょう。
大問2の英作文ですが、これは普段から練習していないと書くのはかなり困難です。 特に大学受験に見られるような「英訳しにくい」和文ではないのですが、かなり堅い表現を英訳せねばならず、そのためには語彙力が不可欠です。
さて、2年間を通して言えることは、まず読解についてはかなり堅い論説文を読み解く力が要求されているということです。
そのためには論説の英文に対する慣れや、専門用語の知識が必要であり、また要約、和訳、内容指示といった問題に対する記述力を普段から養成しておくことも重要です。
16年度と17年度では出題傾向が変化していることから、読解を中心に、要約、和訳、英訳など様々な対策を講じておくべきでしょう。
平成16年度大阪大学経済学部編入の経済学の問題は、マクロ経済学とミクロ経済学、経済史、経営学の大問4問から成っています。
マクロ経済学は難易度が高く、ミクロ経済学は標準的な問題です。
経済史の対策は年度ごとに内容の違いが大きいので、対策に時間がかかると思います。
経営学は、基本的な点を正確に押えるようにしましょう。
マクロ経済学は、ハロッド・ドーマー・モデルとAKモデルを組み合わせた経済成長論からの出題でした。
小問(1)は易しい問題で、財市場の均衡を理解していれば解けます。
小問(2)では、設問で与えられた数式の経済学的な意味を理解している必要があります。
この問題を解くには、日頃から手を動かして、数式の展開を追うといいでしょう。
小問(5)では、「考えうる物1つを議論しなさい」と設問にあります。
この問題に対処するには、経済学の理論が具体的にどのような現象を説明しているのかまで意識して学習する必要があります。
以上から、概略をまとめたものでなく、分厚いテキストで勉強しなければ、これらの問題には対処できません。
ミクロ経済学の問題は外部不経済について出題されました。
設問を読みながら図をかくことが出来れば解けるでしょう。
小問1は、私的限界費用での均衡価格と総生産量を求める問題です。
私的財なので水平和で計算することが分かれば、易しい問題だと思います。
小問2では余剰を計算する問題で、これも是非取りたいところです。
小問3は、社会的限界費用を理解できれば解答できると思います。
経済史の対策として、比較的近年出版された本では「日本経営史の基礎知識」を読んでもいいと思います。
また出題範囲が広いので、経済学や経済の用語集などで主な用語をおさえておきましょう。
経営学については、会計学からの問題と経営学の用語説明が出題されました。
会計学の問題は基本を正確に理解しているかを問う問題であるのに対し、経営学の用語説明の問題は単なる用語説明ではなく、長所短所も問われます。
そのため、ただ単に言葉の意味を覚えるだけでなく、関連知識にも目を通すといいと思います。