○関西大学 臨床心理専門職大学院
例年、マーク式60問で、全体が大問5分野(一般心理学、心理アセスメント、心理療法、地域援助、精神医学)に分かれる構成です。広く一般的な知識と、専門的な知識が同時に求められている印象です。問題数が多いため時間配分も重要になります。うち1分野では英文が出題され、ここでできるだけ手間取らないようにすることが時間配分のキーでしょう。
(1) 一般心理学では、認知心理学、発達心理学などの幅広い知識が求められます。心理学者の名と業績を一致させる問題、さまざまな発達理論にもとづき発達段階を並べ替えさせる問題などが頻出です。難問もありますが、基礎的な設問だけでも点を落とさないようにしたいところです。
(2) 心理アセスメントでは、さまざまな心理テストについてその性質や方法が問われます。扱われる心理テストはさまざまですが、例年かなり細かな知識が求められています。(たとえば、ある発達検査の適用年齢を答えさせる問題など。)2013年度は、英文での出題でした。
(3) 心理療法では、例年、教員の専門分野である、ジェンドリンのフォーカシングについて出題されています。ややマニアックな知識も問われますので、馴染みのない人は歯が立たない類の問題でしょう。フロイトの精神分析から、ロジャーズの来談者中心療法を経てジェンドリンに至る、心理療法の思想的な流れを押さえておく必要もあります。2010年度から2012年度まで、英文での出題でした。
(4) 地域援助(コミュニティ心理学)も、馴染みのない人には戸惑う分野であると思われます。その理念や用語をしっかり押さえておかねばなりません。
(5) 精神医学は、脳や神経系、疾病分類、精神医学史などやはり幅広い分野からの出題です。
以上、難問も多いのですべての分野をカヴァーするのはなかなか大変であると思われます。しかし特に、心理療法、地域援助の専門的知識を問う分野は、例年ある程度似通った問題が出題されています。広く知識を身に着けると同時に、多くの過去問に取り組んでおくことが、最良の対策でしょう。
