みなさんは神経心理学という分野を知っていますか？言葉通り心理学の一領域ではありますが、特には、脳の構造と行動の仕組みとの関係を解明する領域を指します。私たちの行動は、わずか1300グラムほどの脳にコントロールされていると考えられていますが、まだまだ解明されていないことが多いのです。たとえば、物をつかむ運動行為、何かを覚える記憶行為、相手の気持ちを推測する想像行為などの認知的行為が、脳におけるどの部位の働きによって実現されているのかを検証する神経心理学分野は、私たち自身を知る上でとても重要な学問と言えますよね。
神経心理学の方法はさまざまでありますが、現在私は、脳損傷患者さんを対象に心理実験を行ないながら、人間がもつ認知機能におけるメカニズムについて研究しています。その他にも、サルの神経細胞の活動を計測する動物実験や、人間自体の脳活動を計測する方法（fMRI、EEGなど）など多岐にわたります。
日本で神経心理学という学問は、まだまだ認知度が低く、とても残念に思っています。興味がある方は、ぜひそのような研究科を探して門をたたいてみてください。とっても楽しい脳の世界に導かれると思います！
朴先生