同志社大学大学院文学研究科 国文学 傾向と対策

投稿者: | 2016 年 3 月 26 日

【国文学】
例年、(一)選択問題と(二)共通問題 の構成になっており、いずれもなかなか解き応えのある問題である。

(一)選択問題は、AかBから一題選択。
Aはくずし字の読解である。翻刻だけでなく現代語訳が求められることもある。少ないときで150文字程度、多いときで400文字以上の文章の翻刻なので、Aを選択する人は、くずし字読解はしっかりマスターしておきたい。
ただ、例年比較的有名な作品からの出題であるので、出典が分かれば(出典は明示されている年もある)いくらか読みやすくなるだろう。

Bは擬古文の読解問題。主に明治期の文語調の評論を読み、筆者の考えを説明する・要約する。
近年出題された著者を挙げると、石橋忍月、大町桂月、斎藤緑雨……など。
2015年秋は二題出題されており、擬古文を読みこなすスピードも必要。
2014年秋は読解だけでなく、著者や人物について説明させる、知識問題も出題されている。
(二)共通問題は、近年は、文学や研究をテーマとした文章を読ませ、それをふまえたうえで、自分の考えを述べさせる形式である。自分の研究にからめて論述させることが多い。以前には、日本文学研究史に関する説明問題も出題されていた。
日本文学研究の課題や方法論、歴史について、日頃から意識して学んでおくことが求められる。
【専門に関する論文】
小論文は、研究計画書のようなものだと考えればよい。
自分の研究の意義や先行研究との関係などを問われるので、前もって研究計画書を作成し考えを整理しておこう。
「国文学」の(二)からも窺えることだが、自分の研究に自覚的な学生を求めているという印象。漫然と「こんなことが好き」というだけでなく、どんな方法論で何を研究をしたいか・それが文学研究史の中でどんな意義をもつか、を言えるようにしておきたい。文学作品だけでなく、その研究書、また文学理論に関する本などを日頃からたくさん読んでおきたい。

村田先生