皆さんが学んだことのある外国語というと、何よりも英語でしょうか。英語は不思議な言語で、様々なヨーロッパの国の言葉が流入しています。一例を挙げて説明しましょう。
- Star 星
- Astrology 占星術
- Constellation 星座
これらは三つとも星に関する単語ですが、Astrologyはギリシア語に由来し、astron (=星)+logos (=言葉、論理)という二つのギリシア語から構成された言葉です。これに対し、constellationはラテン語に由来する言葉であり、con(=~とともに)+stella(=星)という二つのラテン語から構成された言葉です。同じ星をめぐる言葉でも、英語本来の言葉に加えて、ギリシア語やラテン語に由来する言葉も使われているわけです。英語は他のヨーロッパ言語と比べた際、語彙の多さが際立つ言語ですが、それにはこのような理由があるわけです。
私は大学院での研究の都合上、ドイツ語やラテン語やギリシア語などの様々なヨーロッパの言語を(半ば強制的に)学びましたが、そういった他の言語の知識があると、英単語の語源や由来を推測することができます。調べて自分の推測が当たっていたりすると、暗号解読のようで楽しくなってきます。皆さんも、機会があれば、英語以外の言語を、それもラテン語やギリシア語のような古典語を学んでみてください。英語の背景にあるヨーロッパの言語や文化が英単語を通して透けてみえてきます。とても面白いですよ。
渡部先生