青年期について

投稿者: | 2010 年 4 月 10 日

 このホームページをご覧になっているみなさんは大学編入試験や大学院入試を受けようとしている方々だと思います。そして、その中のほとんどの方は青年期に相当すると思います。E.H.エリクソンは青年期の重要な課題としてアイディティティの確立を挙げています。アイデンティティ…よく耳にはしますがどのようなものなのでしょうか。訳としては「自我同一性」と訳されます。「自我同一性」と言われてもあまりピンときませんね。もう少し柔らかく訳すと「自分が自分であるという感覚」「自分は何者かという感覚」と言うことができます。青年期は親から精神的に独立するという課題と、社会の関わりの中で自分の役割を見つけていくという2つの課題に直面します。青年期にはその課題に直面し、「自分はどういう人間なのか」「自分がやりたいことは何なのか」をみつけていきます。それがアイデンティティの確立です。

 ですが誰もが簡単に課題を乗り越えアイデンティティを確立できるわけではありません。自分が何をやりたいのか分からず途方に暮れ、自分に自信が持てなくなることがあります。衝動的に叫びだしたくなったりすることもあります。すごく孤独感を感じることもあるでしょう。

 近年は大学全入時代ともいわれ、青年期がどんどん延長しているといわれています。アイデンティティが確立できず、不安に押しつぶされそうになっても、焦らずじっくりと自分のやりたいことをみつけてアイデンティティの確立を目指していきましょう。

土井先生