12月も半ば…2010年ももう残すところあとわずかになりましたね。
寒い日が続きますが、みなさん調子はいかがでしょうか??
さて、私がお伝えする心理学の小話第4弾の今回は、感情心理学から一つ。
☆感情はどのように生起するのか…
心理学における感情生起プロセスの研究に関しては「ジェームズ・ランゲ説」「キャノン・バード説」という2つの生理心理学的研究が古典的研究として非常に有名です。
前者の「ジェームズ・ランゲ説」とは「悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しいのだ」という言葉に表現されるように、≪事象を知覚→大脳皮質の働きによる身体的変化→情動体験≫ という順序で感情が生起することを主張しています。
そしてこの説を発展させたものといえる説の一つに「顔面フィードバック説」があります。…少し変わったネーミングのこの説。とある実験では以下の手続きをとり、この考えを実証しています。
手続き:被験者に漫画を見せて、そのおもしろさを評定する作業を行ってもらう。
その際、A群には鉛筆を横向けに歯で噛んでくわえてもらい、B群には鉛筆を縦にして唇で支えてもらった。
―このシンプルな実験。どういう結果が出たかというと…
A群の方が漫画をよりおもしろいと評定したのです!!
なぜそのような違いが出たのか??ここで2群の人たちの表情をイメージしてみてください。A群は微笑みの表情に近く、B群はしかめ面の表情に近いのです。
つまり…この顔面フィードバック説では、顔面表情にともなう筋肉からのフィードバックが情動喚起に影響を与えるということを示しているといえます。
「つらくても笑っていれば幸せになれる…」というのも一理あるかもしれません。
受験生のみなさんも勉強中につらく、しんどいときもあると思いますが、「笑顔」で乗り越えて、頑張っていきましょうね。
丸山先生