理数科目こそ、細かい論証より「景色」が大事

投稿者: | 2010 年 1 月 26 日

 数学や物理学などの理数科目は、「細部よりも全体の流れをつかむことが重要」とよく言われていますが、ほんとうに重要です!細かい論理を必死で追いかけながらも、一方でその科目全体の流れや、その分野が現代の科学でどのような位置を占めているのかを常に意識しておきたいものです。

 たとえば私が専門にしている電気工学の世界では、線形代数学で学ぶ「行列の対角化」のテクニックが、電気回路の設計のための微分方程式を解くのに絶大な威力を発揮します。また微分積分学で学ぶテクニックは、物理学の基礎なのはもちろんのこと、最先端の信号処理技術などにもびっくりするくらい直接に利用されています。そして何より重要なのは、科学・技術の歴史の蓄積を実感をもって追いかける作業が、将来の研究や仕事の場面で「挑戦すれば実現できそうだな」「いくらなんでも無理そうだな」などなどを感じ取るセンスとして活きてくる!ということです。

「ある科目が現代科学に占める位置」というものは、一つ一つの科目を学校や教科書・参考書で勉強している間には、なかなか見えてこないものです。そこは是非、中央ゼミの講師をどんどん利用してほしいと思います。色んな科目を既に学び終え、その先にある専門テーマに取り組んでいる「先輩」として、「自分の分野ではこんな風に役立っていますよ」「今学んでいる単元はこういう方向へつながっていくんですよ」というお話を、実感をこめて楽しくお聞かせできればいいなと思っています。

高先生