教育学という学問は、哲学、社会学、心理学、歴史学など広い領域にわたっており、また今日さまざまに生じる実際の教育問題にも取り組む実践学です。これから教育学を学ぼうとする人や教師志望の人は、できるだけ幅広い多くの読書に努めましょう。自分が関心を持ったものからどんどん読んでいってください。何を読んだらいいのか分からないという人には新書をお勧めします。岩波新書、中公新書ほかいろいろあります。学術書(たいてい高額でとっつきにくい)として書かれたものは、主に研究者を読者として想定しているものが多く、これを正確に理解するためにはそれなりの予備知識が必要です。これから教育学を理解しようとする人にはあまりお勧めできません。労多く益少なしでしょう。新書は、学術書と同じ人が書いたものでも一般向けに書かれており、またその分野の第一線で活躍している人によって書かれているものが多いです。同じ内容に苦労して取り組み、しかも曖昧に理解するよりも、同じ著者が分かり易さを心がけて書いたものを読むほうが、いっそう正確な理解が望めるでしょう。
中沢先生