生物は暗記が多くて苦手だ、という方にお伝えしたいことがあります。それは、自分の身体や身の回りの出来事と関連付ければ、生物は容易に、暗記するまでもなくスルっと理解することができる、ということです。
生物学とは、自分の体やそれを取り巻く環境について知り、応用しようとする学問です。なので、その対象は日常的に、身の周りに転がっています。
・例えば、千切りにしたキャベツを水に浸しておくとシャキっとするのは、専門的には浸透圧と膨圧と呼ばれる現象のためです。ナメクジに塩をかけると縮んでしまうのも、お風呂にずっと入っていると指がしわしわになるのも、すべて浸透圧のためです。
・楽してキレイにダイエットするには、肌を若く保つには、どのような方法がいいのか。これは代謝や消化についての知識があると、変な噂に騙されずしっかりと美容を保つことができます。
このように、生物学は自分の体や身の回りの出来事と密接に関係しています。生物学を勉強するときは、上の例を反対にして関連付けると簡単に理解できます。
・浸透圧はナメクジを縮めて皮膚をふやかす力で、膨圧は細胞壁を中から押し、膨らませる力であると分かります。
・タンパク質がアミノ酸からできていること、胃で働くペプシンがタンパク質をアミノ酸に分解すること、などはコラーゲンを食べると肌に良いのかどうか、という観点と関連付けて理解しましょう。
ここまでに挙げた例は、細かい関連まで拾っていくと切りがないため大ざっぱなものです。生物を教えているような人の頭の中にはこのような身近な事象と生物学的な知識の関連がたくさん詰まっています。
さあ、生物が暗記できない、と嘆いているあなた。身近なものとの関連させて理解しようと試みてください。それができるほどの基礎知識や観察力がないというのなら、先生に腑に落ちるまで実例を挙げさせて、あなた独自の理解を構築してください。
船橋先生