気になるスピルリナ

投稿者: | 2014 年 7 月 19 日

 みなさんはスピルリナという生物をご存じですか?多数の細胞がつながってらせん状になっている藻類で、様々な栄養素を持つため、健康食品に用いられています。
 また、スピルリナの持つ色素はソーダ味のガリガリくんを水色にするためにも用いられています。
 上空から緑色に濁った広大なプールをうつしているCMを見たことがある方もいるかもしれません。あのプールの中でスピルリナが培養されています。そんな身近なスピルリナですが、多くのことがまだよく分かっていません。私はその中でもスピルリナの動く仕組みについて研究しています。

 スピルリナは光に向っていったり、また光が強すぎる時にはみんなで集まって自分に当たる光を少なくしようとしますが、電子顕微鏡で見ても動くための器官は観察されず、動く仕組みはよく分かっていません。どのように動いているのかは大変興味深く、なんとか解明しようとしています。

 スピルリナの動き自体もとても面白いものです。液体培地中ではスムーズに泳ぐような動きを見せます。個体培地上ではらせん状になり一方向に進む個体もあれば、とぐろをまいてその場で回っているだけの個体もあります。
 ずっと観察していると、最初にいた場所から離れ、そこでとぐろを巻く個体、最初にいた場所からちょっと動き、また元の場所に戻ってくる個体、最初からずっと同じ場所でとぐろを巻いている個体、などがあります。スピルリナにも個体によってお気に入りの場所や性格があるのかな?と思います。どんな条件でとぐろを巻くのか、まだよく分かっておらず、解明することができたら面白いと思います。

 なぜ、どのような仕組みで動くのか分からないスピルリナ。不思議でとてもかわいらしいです。

坂井田先生