ここ2年は、毎年4題出題されており、1題目が語句説明、2題目が論述、3題目は英語、4題目は英語以外の外国語の問題となっている。全体的に難易度はそれほど高くはないので、取りこぼしのないよう確実に点数を取ることが重要である。
語句説明は、4つあるいは5つの中から1つまたは2つを選択して解答する形式である。平成24年度は「大航海時代」「宗教改革」「ルネサンス」「啓蒙主義」から1つを選択、平成25年度は「十字軍」「グーテンベルク」「マグナ・カルタ」「大航海時代」「3C政策」から2つ選択となっている。出題されている語句はどれも高校世界史でも大きく扱われている重要な項目ばかりなので、西洋史を志す者であれば特別な準備や対策は必要ないであろう。出題項目が、やや近世以降の事柄に偏っているので、概説書などで重要な事柄に関しては、背景、経過、後世への影響といったことを確認しておきたい。
論述は西洋史分野で研究したいテーマを書かせる問題となっている。これに関しては、おそらく志望理由書などの書類作成の段階でまとめていることと思われるので、特に対策は必要ないであろう。何を研究したいのか、具体的に分かりやすく書くよう心掛けたい。もし余裕があれば、そのテーマを研究する意義や基本的な先行研究などにも触れるようにしたい。
英語の問題は西洋史の研究書から引用された文章、10行程度を日本語に訳すというものである。難解な語句には注が付いており、英文自体も特に難しいものではない。平成24年度は16世紀エリザベス時代の家族構造に関するもの、平成25年度は中世の都市に関するものだが、予備知識が必要というものではないので、普段から関心ある分野の英語の研究書や論文を読み、学術的な文章に慣れておくようにすれば問題ないであろう。
英語以外の外国語の問題は平成24年度がフランス語、平成25年度がドイツ語で、年によって言語が異なるが、5行程度の文章を日本語に訳すというものである。どちらも古代ギリシアに関する辞典から引用されている文章で、分量も少なく、語句には注が付いており、文章自体は読みやすいものである。それぞれフランス語やドイツ語の基本的な文法を理解していれば、読めるレベルなので、特別な対策は必要ないであろうが、一応古代ギリシアの重要な固有名詞(人名、地名、神話の神や英雄の名など)は確認しておくことが望ましい。
疋田先生