なんだか参考書のようなタイトルで恐縮です。第二外国語の授業の始めのころにしっかり教え込まれたにもかかわらず、初級~中級レベルの人がまだしっかり身につけていないことが多いドイツ語の基本、それは動詞の位置と形です。
「動詞の位置は文の要素の第2番目」。平叙文で主文という条件はつきますが、これがドイツ語の根本原則ということになります。独作文問題で気をつけるのは当然としても、和訳問題を解く際にも、この原則を意識しているのといないのとでは、精度がまったく変わってきます。動詞が第2番目ということは、動詞の前にあるものがたった一語の副詞にせよ入り組んだ副文にせよ、ひとまとまりの要素である、と一目で判断できます。見るだけで頭が痛くなってくる半ページにも渡る一文だって、たった一語の動詞に注意するだけで驚くほどシンプルな構造に変わってくるはずです。
動詞の形には一層注意してください。英語は動詞の人称変化が少なく、主語と目的語を取り違えることもほとんどないのであまり意識されませんが、ドイツ語では文の最初に目的語が入ることも少なくありません。そんな文章を読むときには、名詞の格とともに動詞の形もよく見る必要があります。ドイツ語を学習したことがあれば繰り返し聞かされたことと思いますが、独文解釈でおかしやすい「主語と目的語の取り違え」のミスも、動詞の形をしっかり把握することで大部分回避できます。
動詞が文の中心であるのは、ドイツ語だけに限りません。初級文法の第一課か二課で学んだこの原則をもう一度確認してから試験に臨んでください。
石澤将人先生
