試験問題は、大別すると、「論文」と「英語」で、解答時間はそれぞれ60分ずつです。
【論文】
■傾向
医学部看護学科は、アドミッション・ポリシーとして「幅広い教養と高い倫理観を持った人間性豊かな看護職者の育成」を掲げています。そのため、論文試験で問われるのは、医学に関する専門的知識だけでなく、倫理学に関する知識、さらにそうした知識への洞察です。問題は、例年二つ出題されます。第一問目は、医療や健康などについての図表読み取り問題で、与えられた図表の内容を説明し、それについての自身の意見を求められます。第二問目は、A4一、二ページ程度の文章を読み、重要概念を説明する問題(100字程度)、および自身の意見を求める問題(400字程度)です。
■対策
第一問目では、はじめに、図表が示す内容を正確に把握し、その内容を簡潔に説明する必要があります。したがって、ある程度抽象的な図表ないしグラフを分かりやすく要約できるようにしておかなければなりません。さらに、図表で扱われる内容に対して自分なりの意見を持っておくことが重要です。たとえば、「食の安全性」や「たばこが健康に及ぼす影響」などの医療や健康に関わる問題について日常的に考えたり、そのための知識を増やしたりしておきましょう。
第二問目では、問題文の内容を正確に把握し、重要概念を簡潔に説明し、さらに、それらを踏まえ自身の意見を述べる必要があります。そのため、第一問目と同様に、適切な要約能力と自身の意見をうまく展開できる論理能力を磨いておかなければなりません。したがって、対策としては、総合的な教養を扱う書籍(新書など)を読んだり、その内容をまとめたりして、自身の教養を深めておきましょう。
さらに、医学的・倫理的な問題に関する重要概念(たとえば、インフォームド・コンセント、脳死、尊厳死、介護など)をあらかじめ学習して対策しましょう。
【英語】
■傾向
英語試験の問題は、例年二つ出題されます。出題傾向に関しては、年によってばらつきがありますが、第一、第二問目ともに、A4一、二ページ程度の医療や健康に関する英文を読み、重要概念を説明する問題、もしくは英文の該当箇所を和訳する問題が中心です。
■対策
第一、第二問目ともに、文法的には比較的易しく、基本的な英文法を理解しておくことが求められます。とはいえ、和訳問題にうまく解答できるように、自然な日本語に和訳できるような対策をしておくことが重要です。さらに、医療や健康についての内容を扱う英文が多いので、そうした英文を理解するためにある程度専門的な語彙、言い回しの知識を持っておかなければなりません。そのため、英語で書かれた、医療や健康についての入門的な内容のテクストを読んだり、医療や健康に関する英単語を学習したりしておくことが望ましいでしょう。
また、論文試験への対策でも触れたように、医学的・倫理的な問題に関する重要概念を整理しておくことは、英語試験でも大いに役立ちます。ですので、日常的にこうした問題について考えたり、他の人々と議論したりしておくことを強くお勧めします。