過去の問題を例にとると、(1)論述(2)くずし字読解or文学史(3)用語説明 という構成になっている。全体として奇問はないが、幅広くかつ深い知識(特に自分の専攻ジャンルについての)が求められている印象である。
(1)論述は「上代文学と旅」「中古文学と音楽」「明治初期の文学状況」などいくつかの提示されたテーマの中から、自分の専攻に近いテーマを選んで論述させるというもの。求められる字数は600字程度であろうか。自分の専攻とするジャンルについて、幅広い知識をもっていること、それをまとまった解答として組み立てられることが必要。
(2)は、(1)で古典文学・国語学のテーマを選択した人はくずし字解読を選択せねばならない。この年は、文章の字数はそう多くない。くずし字はマスターしておこう。
(1)で近代文学のテーマを選択した人は、近代文学史を選択。この年は、「日本のプロレタリア文学について」「昭和十年前後の文学について」の論述問題である。
(3)は、多少細かな知識が必要とされている。たとえば(「新古今和歌集」でなく)「新続古今和歌集」について、(「三島由紀夫」でなく)「仮面の告白」について説明させられるなど。この年は選択形式ではあるが、幅広い知識があるに越したことはない。古典文学・近代文学・国語学のそれぞれについて、完全な入門よりも少し詳しい参考書に目を通しておきたい。(古典文学なら有斐閣『日本古典文学史の基礎知識』がオススメ!)
村田先生