同志社大学文学部 文化史学科 編入傾向と対策

投稿者: | 2016 年 7 月 13 日

3年次 編入学 専門科目の傾向と対策

論文

文化史学科の問題は論文1題、日本文化史専攻の場合は、それに加えて漢文の試験も出題される。

論文の課題だが、ここ数年は「自己の関心をもつ時代・地域を素材として、マイノリティーと社会との関係について具体的に論ぜよ」「歴史上、中央と地方のあいだにはどのような関係があったか。ある特定の地域・時代を選んで、具体的に説明せよ。」「歴史において政治と文化の関係はどうであったか。あなたの関心のある時代、またはよく知っている時代を具体的に挙げて説明せよ。」といった問題が出題されている。マイノリティーと社会、中央と地方、政治と文化、といったように社会における何らかの関係について具体的に説明することが求められているため、歴史上の出来事や事件などを具体例として引用しながら論じる必要があるが、時代や地域は自由に設定できるため、難易度自体はそれほど高くはない。

対策としては、まずどのようなテーマにも対応できるよう、日頃から自分が勉強したいと思っている地域や時代の社会について、政治、文化、宗教、経済など様々な分野に関して、概説書などで広く知識を得るように努めるとともに、あわせて具体例として使える引き出しをなるべく増やすために、重要な出来事や事件、制度などについても知っておく必要がある。

解答する際には、まず自分の扱う時代・地域、テーマをはっきりさせる必要がある。時代や地域については言うまでもないが、テーマに関しては、問題がマイノリティーと社会、中央と地方、政治と文化、といった多岐にわたる漠然としたテーマであるため、そのテーマの特にどのような側面に焦点を当てて論じるのか、明確に設定するのが望ましい。その上で、可能ならば自分が設定した問題について通説ではどのようなことが言われているのかまとめた後、その通説の問題点などを指摘し、自分の意見を具体的な歴史上の出来事や事件などを挙げながら述べるというのが理想である。これらすべてを完璧にこなすのは難しいであろうから、自分なりのテーマを設定し、それに関連する具体的な歴史上の出来事や事件を例に引きながら通説としてどのようなことが言われているのか説明できるようにしておけば十分であろう。

 

漢文

日本文化史専攻の漢文に関しては毎年2題出題され、原文に返り点をつけたり、書き下したり、要約を述べたりといった問題が出題されている。文章は、ここ数年は奈良時代から鎌倉時代に書かれた日本の漢文が出題されている。

普段から漢文を読み慣れている場合や、高校の時に漢文をしっかり勉強していれば特別な対策は必要ないが、そうでない場合は、まず漢文の基本的な読み方、特に返り点や書き下しの基本的な規則を確認しておく必要がある。レ点、一二点、上下点などをどのように使うか、高校の教材で構わないので復習しておきたい。書き下す際には、送り仮名をつける必要があるが、これはいわゆる歴史的仮名遣いを用いるのが原則なので、古文に慣れていれば問題ないが、そうでなければ確認しておくようにしたい。また、動詞や助動詞の活用も現代文ではなく、古文の活用になるので、古文の活用を覚えていない場合には、こちらも高校の教材などで復習しておきたい。もちろん、漢文独自の慣用表現なども覚えておく必要がある。

その他に、日本史の基本的な知識、人名や地名などの固有名詞や官職や役職の名称などをなるべく覚えておくようにするのが望ましい。これらは必須というわけではないが、問題文には説明がないため、知らないと読み違えの原因となりかねないため、時間があるときに確認しておくようにしたい。また十干十二支なども漢字の読みを平仮名で書けるようにしておきたい。これらは日本史事典や古語辞典の付録などで十分であろう。文章自体の難易度はそれほど高くはないため、以上の点を押さえておけば、内容を理解するのは難しくないであろうから、要約は問題なく作成できるであろう。

疋田先生