京都府立大学大学院文学研究科 英語英米文学専攻 傾向と対策

投稿者: | 2016 年 6 月 3 日

京都府立大の英語英米文学専攻は、夏期と冬期の2回試験が実施されているが、ここ数年は、夏期は英語表現問題と一般問題の2つに分けて出題され、冬季はそのような区別がなく出題されている。

夏期の英語表現問題は2題出題され、どちらも5,6行程度の日本語を英語に訳す問題である。問題文の出典は明示されていないが、恐らく日本語のエッセイの一節と思われる。内容は様々で、必ずしも英文学や英語圏の文化などに限定されている訳ではない。問題文の日本語自体は読みやすい文章であり、一文一文も短めであるため、多少日本語を読み替えたりといった、工夫が必要なところはあるものの、直訳に近い形でもそれなりに意味の通る英語に訳すことは可能であろう。対策としては、基本的な単語や構文を使いこなせるよう、復習しておけば十分であろう。特に動詞や前置詞の使い方など、混同したりしないように、もしうろ覚えのところがあれば改めて確認しておくようにしたい。他大学の英作文の問題と比較すると、難易度は低めと言えるだろう。

一般問題は3題出題され、全て10行程度の英文読解の問題で、設問は文章全体、あるいは文章中の下線部を日本語に訳す問題が出題されている。表現問題同様、問題文の出典は明示されていない。内容や形式は様々だが、Ⅰ、Ⅱは説明文やエッセイ、Ⅲは小説と思われる文章の一節が出題されている。特別難しい構文や単語が使われている訳ではないので、さほど読むのに苦労はないであろう。ただし、説明文でも比喩的に表現された文章が出題される傾向にあるので、表面上の意味を取るだけでは、著者の言おうとしていることを理解しづらいことがあるので注意したい。対策としては、基本的な語彙や文法を確認しておくのは勿論だが、日ごろから様々なジャンルの文章を読み、いわゆる「行間を読む」ことができるよう、想像力を養っておきたい。

冬期の問題は4題出題され、最初の3題が夏期の一般問題にあたる英文和訳の問題、最後の1題が夏期の英語表現問題にあたる英作文の問題となっている。問題の形式や傾向は夏期の場合と大きな変更はなく、対策も夏期の場合と同様である。ただ、ここ数年は英文読解の問題のうち、3題中1題は英文学に関する内容の文章が出題されているので、英文学専攻の人にとっては夏期よりも取り組みやすいかもしれない。

 

疋田先生