合格基準正答率:7~8割
大学編入試験の科目は、語学(主に英語)・専門科目・面接で構成されることが多いです。
試験科目は大学入試とはかなり違っていて、学部に関係のない科目は出題されないので、科目数は減りますが、どちらかといえば出題形式は大学院入試に近くなります。
大学によって出題傾向は様々ですが、各大学の試験問題の難易度は、大学受験のときの偏差値を参考にするとよいでしょう。
難関校ほど専門試験ではより突っ込んだ問題が出たり、深い知識が問われることが多いです。
大学のレベルや希望学科での学習内容、また試験問題の傾向を比較して志望校をしっかり絞り込まないと、膨大な範囲の勉強をしなくてはならなくなってしまいます。
試験の制限時間は外国語・専門ともにそれぞれ60分~120分程度です。
合格基準については、一般的に7割から8割前後の正答率とされていますが、面接結果の比重も絡むので確実な線引きはありません。
ただ「定員割れしていても、正答率が6割以下だと取らない」というように足切りを決行している大学もあるので、7~8割という数字は目安にすればよいでしょう。
外国語は基本的に長文読解が中心となっている大学が多いです。
全文和訳、英文の要旨や大意を述べるもの、長文の後に内容についての小問がいくつかあるもの、論述式に自分の意見を英語で記述するものなどがあります。
それぞれの専門分野にちなんだ内容を長文和訳で出題する「大学院入試型」と、比較的一般的な内容を出題する「大学入試型」がありますが、多くは「大学院入試型」の形式をとっています。
文系学部では、たいてい外国語と称して英語・ドイツ語・フランス語・中国語などから科目を選択するようになっています。
理系学部の英語は、専門用語を多く含んだ分野色の強い長文で、図やグラフが入っていることもあります。
また、難関校では、語学が2科目選択のところもありますので、留意しておいて下さい。
専門科目の内容は各大学でまったく違ってきます。
専門知識といっても大学1・2回生程度のレベルであることはどこの大学でも同じですが、明らかにその範囲からはみ出た問題を出す大学もなかにはあります。
難関校を目指す人は、自分が受ける学科内の教授がどの分野の権威かを知っておく方が安心です。
文系学部では、ほとんどが「語学+専門」もしくは「語学+専門+小論文」のパターンであり、専門科目は選択問題や穴埋め式問題は少なく、小論文と同じく論文形式のものが多くみられます。
テーマのみを提示し「○○○について述べなさい」とか「○○○についてどう思うか」といった問題です。
理系学部では、大学・学部、また学科の専攻分野によって科目数が違ってきます。
工学部や理学部では、「語学+数学+専門」のパターンと「語学+数学+(物理・化学・生物のうちから選択)」のパターンが多く、さらに専門基礎が別に課される大学もあります。
農学部は大半が「語学+専門」や「語学+専門+小論文」のパターンで、専門科目は学科の系統によって生物系か化学系になります。
面接試験が合否判定にどのくらい影響するかは、各大学によって違います。
試験結果が重視され面接は形式程度のものというところもあれば、面接も試験の一つと考えられ、学科試験と別日程で行われるところもあります。
面接試験とは、志望理由書や成績表をもとに、学科試験からは判断できない受験生の人間性や個性・適性といった要素をみるものです。
まず重要視されるのは志望動機でしょう。
その大学や学部を選んだ理由、勉強に対する意欲や入学後の展望、将来の目標などはしっかり明確にしておかなくてはなりません。
また時事問題に対する考察力を問われることもあるので、付け焼刃でない知識を日頃から身に付けておくことも大切です。
面接や口述試験の対策としては、模擬面接を受けてみるのが近道です。
ある程度自分で想定問答集を作成していても、予想もしていなかった質問が出たり、答えに困る質問が出たりすることもあります。
模擬面接を受けておけば、予め心の準備ができますし、立ち居振る舞いについてもアドバイスをもらうことができます。