【傾向と対策】筑波大学 生命環境群 地球学類

投稿者: | 2022 年 12 月 3 日

中央ゼミナールの厳選講師が筑波大学 生命環境学群 地球学類 編入学の入試科目について傾向と対策を解説します!
編入学をお考えの方はぜひご覧ください^^

まず直近三年の出題傾向を以下に示す。()内は、求められる水準である。

R4
問題1 アメリカ移民(大学範囲の人文地理)
問題2 地層学(大学範囲の地学)
問題3 マグマと地形(高校範囲の地学)
問題4 地球環境(高校―大学範囲)

R3
問題1 リモートセンシング(一般的な内容、知識は高校範囲で十分だか思考力必要)
問題2 大気・水の循環(高校範囲で可)
問題3 プレートテクトニクスの地形(高校)
問題4 太陽系形成モデル(高校範囲でも可だが、大学範囲がある方がよい)

R2
問題1 ブッシュファイアーの自然・社会・環境 (人文・自然の融合、大学レベル)
問題2 花崗岩・石灰岩の地形(高校範囲でも可)
問題3 示準化石・示相化石と化石保存の条件(前半は高校範囲だが、後半はきつい)
問題4 地球内部構造(高校範囲ではきつい)

以上の通り、高校範囲の地学・地理に加え、大学範囲及び一般的な内容にまで及ぶ、非常に幅広い分野が出題されるのが特徴である。

少なくとも、高校の地学基礎だけでは不十分である。高校の4単位の地学も合わせて、ようやく知識範囲について大問2,3題分はカバーできるといったところ。できれば、大学学部において大学教養範囲の地学も学んでおいた方がよい。

もし参考書でやろうとするなら、数研出版の出している社会人向けの『高校地学』の教科書がよい。高校地学基礎と高校地学の教科書の両者を合わせたものである。特に後者の教科書・参考書は、現在の日本での履修者の少なさからほとんどないので貴重。ただし、情報量が多く、日本語の文章が難しいところもあるので、まったく知識がない初学者には適していない。その場合は、まず高校の地学基礎の薄い参考書を使うことをお勧めする。いずれにせよ、この教科書の内容の理解ができれば、大問2,3問分の知識としては最低限であり、そのあと過去問演習に進むのがよい。

ただし、R2 大問3後半の化石保存の条件、R2大問4の地球内部構造の地球物理学的な知識のように、大学教養レベルの地学授業を履修していることが必要なものもある。

もしそういった授業履修の経験がない場合は、一から大学レベルの教科書を進める時間的な余裕はないであろうから、過去問を解いて自分で考え、先生に見てもらうという学習が効率的である。

さらに例年1題は、地理寄りの内容が出題される。高校範囲にせよ大学範囲にせよ、地学という名前を冠する科目はたいてい理系の側面が強いため、これらだけでは不十分である。少なくとも高校地理を勉強しているのは前提として、大学範囲の人文地理・社会地理の履修が求められる。

大学地理的な内容では、例えば R4 大問1のアメリカ移民の特徴に関する問いのように人文地理の知識が問われることもあれば、R2 大問1のオーストラリアのブッシュファイアーの論述のように、人文・自然双方からの観点及び両者の関わりが問われることもある。R 3大問1のリモートセンシングの有用性に関する問題や、H29 大問3のように、人類と地球環境の関係を問うような問題もある。最低限の知識は必須として、そういったテーマを普段の経験やニュースを経由してよく考えているかが問われる。

なお、R2 を境にして出題傾向が変化している。R1 以前は、図表がなく、いずれも数行程度の短い問題文からなるものであった。ただし範囲・レベル的に変化はないので、できれば取り組んでおいてほしい。

以上述べてきた通り、幅広い範囲が出題されるため、独学だけでは厳しい面もある。中央ゼミナールでは、受講者の現在の知識量に合わせて指導を行う。R1 以前の過去問も保有しており、授業の中で過去問添削・解説を行うこともできる。気になる方はご相談ください。